海洋深層水とは
一般的には、太陽の光が届かない層の海水を「深層水」と呼んでいます。
富山湾では水深300m以深の海水を「深層水」として扱っており、これは日本海固有冷水塊とも呼ばれています。塩分が約3.4%、水温約2℃以下の非常に冷たい海水です。
太平洋のものより塩分濃度や溶存在酸素値が高く、表層水よりも栄養塩が数倍以上あり、夏でも水温の変化が少なく水質が安定しているのが特長です。
海洋深層水の特長
富山湾と深層水の関係
富山湾の広さは約2,120平方キロメートル、最深部は1,000m以上あり、駿河湾や相模湾と並んで我が国で最も深い湾の一つです。
富山湾は、大きく分けて三つの層で構成されており、海岸に近いところには河川などの影響を受けた塩分の低い「沿岸表層水」、その下層から200~300メートル付近には「対馬暖流系水」、そして300メートル以深には低温の「日本海固有水」が無尽蔵に存在し、この日本海固有水が「深層水」と呼ばれ、富山湾の容積の約6割を占めています。
富山県では、深層水の低温安定性を利用し、トヤマエビなど冷水性魚介類の増養殖に活用しています。これにより、表層水を生存環境に適した低温まで下げていたコストを大幅に抑えることができました。
また、健康飲料や医薬品などの分野でも、人類が必要とするカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分をバランス良く含んでいる深層水は注目を浴び、多くの関連商品が生まれています。
深層水のふか~い話
滑川市の広報で連載されていた深層水の雑学についての記事をご紹介します。タイトルをクリックしてご覧ください。
01 深層水ってなに?
太陽の光が届かない層の海水を、一般的に深層水と呼んでおり、地球に存在する海水の約95%を占めるとも言われています。
富山湾では水深200m以深の海水を深層水として扱っており日本海固有冷水塊と呼ばれています。
水温約2℃以下、塩分が約3.4%、太平洋のものより、塩分濃度や溶存在酸素値が高く、表層水よりも栄養塩が数倍以上あり、 夏でも水温の変化が少なく水質が安定しているのが特徴です。
滑川市では気軽に生活の中に深層水を取り入れていたくため、深層水(原水)の分水を行っています。
<広報なめりかわH16年4月号掲載>
02 深層水を取水している地域は?
日本で、深層水を取水している地域は、平成16年5月現在で、高知県室戸、北海道羅臼、沖縄県久米島、静岡県焼津、神奈川県三浦、 富山県入善、新潟県佐渡、北海道熊石及び岩内、鹿児島県下甑村、そして富山県滑川です。 今後とも全国的に深層水の取水施設を建設しようとする予定があり、地域間での競争が激化するものと予想されます。 世界的には、ハワイ、ノルウェーなどでは、すでに取水を開始していたり、韓国、台湾など今後計画がされている国がたくさんあり、 世界的にも深層水は注目されています。滑川市では、これまでも先進的に深層水事業に取り組んできており、 今後とも積極的にさまざまな分野での活用方法について考えていきたいと考えています。
~広報なめりかわH16年5月号掲載
03 深層水はどうしたらできるの?
高緯度の寒い北の地(グリーンランド沖と言われています。)で、とても強くて冷たい北風が吹き、海面の一部を冷やします。 北風は、水分の蒸発を促進し、蒸発熱で海水からさらに熱を奪い冷やすとともに塩分濃度を高めます。 そうすると冷たくほんの少し塩分濃度の高い海水と周囲の暖かい海水との間に重さの差ができ、冷たく塩分濃度の高い海水は、海の深いところに沈み込み始めます。 これが深層水の生まれる瞬間です。 深層水は自然のサイクルの中で作られますが、毎年生れるわけではなく、気象条件に左右される部分が多いとされています。 最近の地球温暖化により、深層水を作り出すための、冷たい北風が吹く機会が減っているとも言われており、この地球を守るためにも環境の保全に努めていかなければなりません。
~広報なめりかわH16年6月号掲載
04 地球にはどのくらいの深層水があるの?
地球における海の総面積は、3億6,106万平方キロメートルで水深の平均は、約3.8キロメートルと言われています。よって海水の総量は、 13億7千立方キロメートルとなります。 水深200メートル以下の海水を深層水と仮定すると、深層水の総量は、海水の94.8%で、約13億立方キロメートルということになります。 新たに作ることなく、1日に100億トン使っても36万年以上かかる計算になります。しかも深層水は、「再生循環型の資源」とも言われており、 利用した後に再び海に戻せる資源です。 よって、海の生態系や環境等を考え、注意して使用すれば無限に存在する新しい資源と言えます。
~広報なめりかわH16年7月号掲載
05 富山湾が取水地に選ばれたのはなぜ?
富山湾には、滑川市に2つ、入善町に1つの取水施設があり合計3つの深層水取水施設があります。日本中を見回しても3つの取水施設がある地域はありません。 なぜ富山に取水施設が多いのでしょうか?理由は、富山湾の入口が大きく開き、水深が非常に深く、海岸近くまで崖がせまっているため、 深層水の取水施設を建設する際、取水する管が短いもので済み、建設費がかからないのが1つの理由です。 もう一つの理由は、これまでに深海生物の研究対象としてきたホタルイカ、ベニズワイガニ、バイなどが入手しやすく、 深層水との関係を調べる研究を行いやすい状況にあったからです。 ちなみに、滑川の取水量は2つで一日5,000トン、入善の取水量は2,400トンであり、富山湾で1日に取水されている深層水の総量は7,400トンです。
~広報なめりかわH16年8月号掲載
06 深層水の利用はどこまで進んでいるの?
深層水は、1881年にフランスの科学者ダルソンバールが深層水の冷たさを利用した海洋温度差発電を提案したのが始まりといわれています。 それからおよそ125年の歳月が流れ、さまざまな方面での利用が進んでいます。 深層水の清浄性を利用した魚の養殖、富栄養性を利用した海藻やプランクトンの培養、定温性を利用した冷房装置などがあります。 深層水を活用した商品では、ミネラルウォーター・日本酒・発泡酒・しょう油・かまぼこ・漬物など食品関係はもちろん、 美容を目的とした入浴剤・化粧水・せっけんなど深層水を使った商品がたくさん登場してきています。 今後は、医療分野や農業分野などでの利用がますます加速していくものと考えられています。
~広報なめりかわH16年9月号掲載
07 深層水は本当にミネラルが豊富なの?
ミネラルとは、水素・酸素・炭素・窒素以外のもので、マグネシウム・カルシウム・カリウム・ナトリウムなどを主とした人体を構成している諸元素の総称です。 例えば、1リットルあたりに含まれるマグネシウムの量は、一般的なミネラルウォーターの場合約5mg、水道水の場合約2mg、 深層水原水の場合約1,300mg含まれます。カルシウムならば、ミネラルウォーターの場合約20mg、水道水の場合約10mg、 深層水原水の場合約410mg含まれます。 ミネラルは飲用することによって摂取することができますが、人体には不必要なもの、過剰摂取すると害を及ぼすものなどもあり、 バランスよく摂取しなければなりません。 最近人気のミネラルウォーターは人体のミネラル成分に近づけるよう、調整を行って販売されています。
~広報なめりかわH16年10月号掲載
08 深層水は発酵にいいって本当ですか?
酵母や乳酸菌といった微生物の働きを利用して物質を作り出すことを発酵と言い、発酵製品としては、ビールや酒、ヨーグルトが代表的なものです。 発酵の際には、リン酸塩、硝酸塩、ケイ酸塩といった栄養塩が必要で、微生物の栄養源となるものです。その栄養塩が豊富に含まれているのが深層水なのです。 その深層水の豊富な栄養塩に目をつけて開発された製品は発泡酒や味噌・醤油です。例えば発泡酒などは、ビール酵母を発酵させる時に深層水を加え、 深層水のミネラルや栄養源によって酵母の発酵が上手に行われ、おいしい発泡酒ができたということです。 最近では地ビールを製造する際にも深層水が使用されるなど、続々と深層水の栄養塩に目をつけた商品が登場してきています。
~広報なめりかわH16年11月号掲載
09 深層水の脱塩方法は2種類あるんですか?
海水には生物が必要とするすべてのミネラルが溶け込んでいます。この豊富なミネラルに着目したのが深層水を利用したミネラルウオーターです。 しかし、海水には塩分が3.4%程度含まれています。このままでは塩辛すぎるため、深層水を飲料として利用するには真水で薄めるか、 塩分を取り除く必要があります。 塩分を取り除く方法としては大きく分けて2種類あり、特殊な膜を利用した「逆浸透法」と「電気透析法」が用いられています。 「逆浸透法」は占有物がほとんどない脱塩水と、塩分とミネラルが濃縮された塩水に分離され、「電気透析法」は、ミネラル分が残った脱塩水と、 塩分が濃縮された塩水に分離されます。 分けたそれぞれの水は飲料水や食塩、苦汁の製造などいろいろな用途に使われています。例えば、ミネラルウオーターは膜を通して得られた脱塩水に 天然水や濃縮海水のミネラルを混ぜて、また、スポーツドリンクはこれに糖類や香料などを加えてつくります。
~広報なめりかわH16年12月号掲載
10 滑川海洋深層水分水施設が1月末にオープンします
滑川市では平成15年4月より既存の分水施設で原水のみを提供してきましたが、完全オープンする1月末には、原水以外に6種類の水を提供できます。 深層水のほぼすべての成分を取り除いた「脱塩水」、ミネラル成分が濃くなった「濃縮水(塩濃度約5%)」や「高濃縮水(塩濃度約15%)」、 カルシウムやマグネシウム、カリウムなどの成分を濃縮した「ミネラル脱塩水」、塩化ナトリウムを特化した「塩水」、 空気や光に触れさせないで取り出す「外気無接触水」を分水することができるようになります。 深層水はいろいろな分野の加工品に使用されています。ミネラルウォーターなどの飲料や入浴剤、石鹸、発泡酒、水産加工品などにも使われていますが、 今後さらに製薬や化粧品、農業などの分野で研究と開発に使うことが期待されています。
~広報なめりかわH17年1月号掲載
11 深層水はどのような食品に使われているの?
食品はその味付けや食感の改善、また、脱水や保存のために食塩を利用してきました。基本的には深層水の食品への利用はそのほとんどが この食塩の代用として使われています。 深層水中の塩分は精製塩にはないミネラルが含まれるため、その添加によってこのミネラルが食品の味を良くしたり、 食感をより高めたりする作用があると考えられています。 例えば、深層水中のカルシウムはかまぼこの弾力を高めるとの報告がありますし、マグネシウムは豆腐の凝固に作用するなど、 精製塩とは違った効果があります。また、ミネラルや栄養塩類は微生物の働きを促進することからお酒や醤油などにも使われ、発酵が促進されたと報告しています。 現在、深層水を薄めるかそのまま利用して、食パン、菓子、餡、かまぼこ、塩辛佃煮、乾麺など多種多様な製品がつくられています。
~広報なめりかわH17年2月号掲載
12 深層水分水施設がオープンしました
2月号の広報なめりかわでご案内したとおり、1月30日海洋深層水分水施設アクアポケットが完全オープンいたしました。 オープンを記念して3月31日まで、みなさんに深層水を身近に触れていただくため、深層水原水については20リットルまで、脱塩水、 高濃縮水などの処理水については2リットルまで無償でみなさんに提供しています。 休日ともなると、連日500人以上の人々が訪れ、職員も休む間もなく対応に追われ、うれしい悲鳴をあげています。 利用方法をお聞きすると、深層水原水を風呂にいれて利用される方、脱塩水をお茶やコーヒーに利用される方が多いように見受けられます。 風呂に入れて利用される方は、「体中がポカポカしてやみつきになる」、脱塩水でお茶を入れる方は、「安いお茶葉でもおいしいお茶を飲むことができる」 というお話しを聞きます。 まだ、利用されていない方はぜひ、この機会に深層水を体験してみてください。そして、まだまだ未知数の海洋深層水です。 こんな利用方法がある、と職員に教えてください。
~広報なめりかわH17年3月号掲載
13 深層水はお肌にいいってほんと?
皮膚の最外層を角層といい、外気とのバリアーとなって体を保護しています。 この角層にはナチュラル・モイスチャリング・ファクターと呼ばれるうるおい成分があり、肌の柔軟性を保っています。 このナチュラル・モイスチャリング・ファクターはアミノ酸やミネラルで構成されており、不足すると肌が乾燥してしまいます。 最近の研究で、深層水には単にミネラル成分の吸湿作用によって肌にうるおいを与えるだけでなく、皮膚の細胞に直接働きかけ、 細胞の新陳代謝を活発にする作用があることがわかってきました。 表皮細胞(皮膚をつくり出す細胞)を培養して、深層水の効果を調べると、細胞の角化が促進され(丈夫な角層をつくる)、 細胞の増殖が促進される(角層の新陳代謝が活発になる)ことがわかりました。
~広報なめりかわH17年4月号掲載
14 人気は「脱塩水」
3月31日まで、アクアポケットにおいて一定量を無料で分水し、皆さんに深層水を体験していただきました。 1月30日からの2カ月で予想をはるかに超える約2万人の方が分水に訪れました。中には、テレビで知って県外から来た、と言って訪れる方もおり、 深層水の関心の高さに改めて感心させられました。 最初は7種類ある深層水からどの深層水を持っていけばよいかわからない方がたくさんおられましたが、時間が経つにつれ、 多くの方が用途に応じて、迷わず自分の求める深層水を分水して行かれます。 一番多く分水されているのは「脱塩水」。用途をお聞きすると、お茶をいれるのに使用するのが圧倒的に多いようです。 脱塩水でお茶をいれるとたいへんまろやかになる、とたいへん好評です。4月17日に行われた「市民ふれあい茶会」においても、 立礼席において脱塩水を使用してお茶を点てました。みなさん、まろやかな味に満足されたようです。
~広報なめりかわH17年5月号掲載
15 深層水氷の使い方
深層水(海水)氷と真水氷(普通の氷)の大きな違いはその維持温度にあります。 真水氷の維持温度は約0℃、それに比べ深層水氷は約マイナス1~3℃を保つことができます。 一方、生鮮物などの保存には腐敗の主な原因となる微生物の繁殖を防ぐため、できるだけ低温を維持することが不可欠です。 しかし、生鮮物を凍らすと解凍した時点で細胞膜が壊れるため、生鮮物の性質を失ってしまいます。 生物はその細胞液の中にいろいろな成分を溶かし込んでいるため、マイナス1~3℃くらいでは凍らずに生の状態を保つことができます。 この温度帯まで冷やすのが生鮮物の鮮度保持に一番効果があるとされています。 深層水氷を使うことにより簡単にこの温度帯を安定して維持することができ深層水氷は生鮮物の鮮度保持に極めて有効です。 また、深層水はすぐれた清浄性を持っており、つくられた氷も細菌が少なく食品の保持に安心して利用できます。
~広報なめりかわH17年6月号掲載
16 深層水を利用した清涼飲料水の自動販売機登場
深層水分水施設の利用者から要望の多かった深層水を利用した飲料水の自動販売機を深層水分水施設アクアポケット内に設置しました。 使用している深層水は脱塩水(RO:逆浸透膜方式)で、利用者に一番人気があり、お茶やコーヒーに適した水です。 日頃、利用者から脱塩水を使ったお茶やコーヒーをその場ですぐに飲みたいという要望があり、設置が実現しました。 自動販売機はお茶やコーヒーはもちろん、オレンジジュースなど子供さんが大好きなジュースも各種あります。 料金は通常の自動販売機の料金と同程度です。 ぜひ一度ご利用ください。
~広報なめりかわH17年7月号掲載
17 深層水を利用した足湯をどうぞ!
7月16日から深層水体験施設タラソピア前に「深層水足湯」を設置しました。 足湯の浴槽はウイスキー樽を利用し、水温約10~15度の冷水槽、40~43度の温水槽を7セット用意しています。 ベンチに腰掛けたまま温水に2分間、冷水に約30秒間、交互に足を浸し、2~3回繰り返すのがおすすめですが、 利用者からも「血行がよくなる感じがする」と評判です。 足湯はかけ流しで、午前10時から午後4時までご利用できます。 料金は無料で、10月2日までの予定で設置しています。 どうぞ、気軽に深層水浴を体験してください。
~広報なめりかわH17年8月号掲載
18 万博で塩作り体験してもらいます
現在、愛知県で開催されている万博「愛・地球博」で、今月、滑川海洋深層水分水施設アクアポケットで分水している濃縮深層水を使った塩づくり体験や、 深層水塩を使ったおにぎりの試食などを行い、滑川の深層水を世界に情報発信します。 塩づくり体験を開くのは、万博会期末の9月23日から25日までの3日間。「富山県ワークショップ~深層水の魅力と富山の食」コーナーで、 午前11時から4回、各20人を対象に塩づくりを体験してもらい、富山米「てんたかく」を使ったおむすびづくり体験会も実施します。 先月もアクアポケットで塩づくり教室を開催し深層水塩を作りましたが、今回も同じような方法で、塩分濃度15%の濃縮深層水、 土鍋を使いコンロで熱し深層水塩を作ります。 当日、万博に行かれた方はぜひお立ち寄りください。
~広報なめりかわH17年9月号掲載
19 とやまの名水に海洋深層水を追加選定
富山湾の深層水を「とやまの名水」に追加選定されることになりました。 これまで名水は陸水だけを対象にしており、海水が選ばれるのは全国初となります。 とやまの名水は、当時の環境庁が選定した「全国名水百選」を契機に昭和61年、「早月川の清流」や「行田の沢清水」など県内で55件が選定されました。 選定から20年近く経ったため、追加・見直しを行うことになり、とやまの名水検討委員会で審議された結果、 深層水は「富山湾の貴重な恵みとして伝承していくべきであり、水質保全意識の高揚も期待される」ことなどから選定されました。 環境省の名水百選などは陸水のみを対象としており、全国初の海水の選定を受けることにより、 海洋深層水が「水の王国とやま」の象徴のひとつとして全国に発信されます。
~広報なめりかわH17年10月号掲載
20 好評だった深層水足湯
7月よりタラソピア前にて実施していた「深層水足湯」が大変な人気のうちに終了いたしました。 期間中は、市内の方はもちろん、県内外からたくさんの方に利用していただきました。 利用者の方からは、いろいろとアドバイスを受けたり、「来年もやって欲しい」とエールを受けたり、「10月で終わるのはもったいないね」 「来年はいつからやるの」「いろんな人と話ができるから楽しいよ。コミュニケーションの場だからやめないで」などとお話をいただきました。 また、関節炎が治った、膝の痛みが和らいだ、リュウマチが良くなった、など具体的なご意見もいただいています。 観光客の方々からも、「いろいろと散策したから足の疲れがとれて気持ちいいよ」「運転疲れがとれる感じ」「新しい観光資源だよ」 「また来たいね」とたくさんうれしい言葉をいただきました。 冬場は雪や冷風のため実施は厳しいですが、何とか皆さんのご期待に添えるようなんとか次回も実施できればと考えています。
~広報なめりかわH17年11月号掲載
21 深層水から作った塩はどう違うの?
愛知万博でも行った「海洋深層水からの塩作り」が、今でもいろいろな行事で取り上げていただき、「塩作り教室」を開催しています。 では、深層水から作った塩は普通の塩とはどう違うのでしょうか。 今、私たちが使っている食塩は塩化ナトリウム99%以上の精製塩がほとんどです。 海洋深層水から作る塩には塩化ナトリウムのほか、塩化マグネシウムや硫酸カルシウムなどの苦汁と呼ばれる成分やいろいろなミネラルが含まれています。 これらの成分によって甘みやまろやかさが感じられることから、深層水から作った塩は「おいしい塩」と言われています。 ぜひ、ご賞味ください。
~広報なめりかわH17年12月号掲載
22 アクアポケットオープン1周年記念を開催!
昨年1月30日にオープンした滑川海洋深層水分水施設アクアポケットがオープンして1周年を迎えようとしています。 おかげさまで、アクアポケットポイントカードの発行(8月から発行開始)も2,000枚を超え、たくさんの方々に分水に来ていただいております。 そのご愛顧も込めまして「アクアポケットオープン1周年記念」を2月4日(土)、5日(日)にアクアポケットで開催いたします。 4日(土)は、深層水手打ち蕎麦作り教室を開催し、深層水を使って蕎麦作りを体験していただきます。できあがった蕎麦はその場で茹でて、 試食していただきます。(定員、参加費、申込方法等は株式会社WAVE滑川TEL476-9300へお問い合わせください) 5日(日)は、「深層水うまいもん広場」で、深層水海鮮大鍋(1杯200円)やパン、大福、どんどん焼きなど、 深層水を使ったメニューをたくさん用意してみなさんをお待ちしています。 ぜひ、アクアポケットに足を運んで、美味しくて温かい深層水メニューをお楽しみください。
~広報なめりかわH18年1月号掲載
23 皆さんもお試しください
滑川海洋深層水分水施設アクアポケットがオープンして1年が過ぎました。おかげさまでたくさんの方々にご利用いただいております。 利用者の方々の声を何件か紹介いたします。 「原水をかぶら寿しを作るのに使っています。カブラをうすく切って塩のかわりに原水に2~3日つけてから漬け始めます。 塩を使っていた時よりもカブラの味がなめらかになり、非常においしくなりました。」(滑川市、Nさん)。 「湿疹(しっしん)で手先が割れていたのですが、浴槽に深層水原水を5リットルぐらい入れて入浴したところ、 以前はクリームなどで保湿を補っていても効果がなく痛い思いをしていましたが、深層水を入れることにより肌全体の調子も良く、 しっとりとした感じで冷え性で不眠がちだったのも、夜はポカポカと芯まで温まりぐっすりと眠れることができるようになりました。」(滑川市、Iさん) みなさんもぜひ試してみてください。また、このほかにも深層水の使い方や利用方法がありましたらぜひ教えてください。
~広報なめりかわH18年2月号掲載
24 皆さんもお試しください 2
先月に引き続き、利用者の方々の声を何件か紹介いたします。 「ご飯を炊くときに原水を使用しています。古米を食べていますので、これを少し入れるとおいしくなります。家族中おかわりが増えました。」(高岡市、Sさん) 「短冊切りにした大根を原水に浸し石を乗せて一晩寝かしました。適度な甘さと塩気を含んだ一夜漬けは、さくさくとした歯触りで朝食のおかわりもしたほどおいしかったです。」(滑川市在住) 「濃縮水を使用すると、煮物の味の染みこみが早く感じます。野菜の下ゆでは色が鮮やかに感じます。」(滑川市、Hさん) みなさんもぜひ試してみてください。また、このほかにも深層水の使い方や利用方法がありましたらぜひ教えてください。
~広報なめりかわH18年3月号掲載
25 今年も足湯を実施します
昨年実施し好評だった「深層水足湯」を今年も実施することとなりました。今年は春のホタルイカ祭りに合わせ、4月22日(土)から開始し、場所は昨年と同じく深層水体験施設タラソピア前に設置します。 足洗い用のスペースを新設したり、水はけのよい水切りマットを敷くなど、昨年に実施したときに要望があった点を改善し、皆さんに少しでも満足いただけるよう開設する予定です。 足湯はかけ流しで、午前10時から午後4時まで(火曜日休館)、料金は無料で、10月上旬までの予定で設置します。 どうぞ、気軽に深層水浴を体験してください。
~広報なめりかわH18年4月号掲載
26 ミネラルのある生活
最近特にミネラルの必要性が叫ばれるようになり、いろいろな栄養食品が店頭にならんでいるのを目にします。 食生活の変化からインスタント食品、清涼飲料水、お菓子などを多く口にするようになり、身体に必要なミネラルの補給ができにくくなりました。その結果、エネルギーのバランスが壊れ、現代病を引き起こしていると言われています。 現代病の中でも代表的なものがアトピーや花粉症、肥満などが上げられます。その症状は深刻でさまざまな治療が行われていますが、問題を抱えたまま生活している人がさまざまです。 身体に必要な栄養素として上げられるのが、炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素と言われています。 食生活が豊富でなかった時代には、ミネラルやビタミンが多くに含まれている小魚や海藻類、野菜を主に食べていました。しかし、食が豊かになった現在では、食卓からミネラルやビタミンが含まれた食材が消え、食生活のバランスが大きく変化しています。 ミネラルは深層水に多く含まれており、容易に補給することができます。ミネラル成分の代表的なものとして、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなどが上げられますが、どれも身体には必要不可欠なものです。 来月からそれぞれのミネラル成分の働きについて紹介します。
~広報なめりかわH18年5月号掲載
27 ミネラル成分のはたらきⅠ(カルシウム)
深層水に含まれる「ミネラル成分」の代表的なものとして、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなどが上げられます。 カルシウムはカラダにとって非常に大切なことはよく知られていますが、骨や歯の形成に不可欠な成分であり、各種ホルモンの分泌や作用、筋肉の収縮、血液の凝固、情報の伝達など、カラダのあらゆる細胞の機能を調整しています。血液中のカルシウム濃度は、たえず一定に保たれなければなりません。 1日の摂取量の目安としては、男性が700~800mg、女性が650mg必要といわれていますが、現在の食生活では、摂取量の不足が懸念されています。カルシウムが不足すると、血液中のカルシウム濃度を保つために、骨からカルシウムが溶けだし、血液中にはいり、この状態が長く続くと、骨がスカスカになり、骨粗しょう症になってしまうのです。 また神経過敏を引き起こし、イライラしたりキレやすくなったりするといわれています。
~広報なめりかわH18年6月号掲載
28 ミネラル成分のはたらきⅡ(マグネシウム)
深層水に含まれる「ミネラル成分」の代表的なものとして、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなどが上げられます。 マグネシウムは、カルシウムとバランスをとって保たれています。成人で1日カルシウム600mgに対してマグネシウム300mgが必要とされ2:1の割合になっています。 最近、食生活の変化からマグネシウム不足になっていることがわかっています。日本人の平均摂取量が200mgとされています。 マグネシウムは精神のイライラを和らげ、安定した精神状態を保ち、糖質の代謝を助け、心臓や血管系を健康に保つといった働きがあります。 不足すると、何となくだるくなったり、思考力・集中力が低下するといった症状がでてきます。 また、マグネシウムは脂肪を燃焼させ、体内の老廃物や摂りすぎた水分を搾り出す性質を持っており、便秘の解消にも役に立ちます。
~広報なめりかわH18年7月号掲載
29 ミネラル成分のはたらきⅢ(カリウム)
深層水に含まれる「ミネラル成分」の代表的なものとして、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなどが上げられます。 身体に重要な役割を果たすカリウムは、豆類や野菜に多く含まれていますが、最近はカリウムの摂取量が不足していると言われています。 カリウムはナトリウムとバランスを保って存在します。カリウムは体内の余分なナトリウムを排泄する作用があります。ナトリウムを摂り過ぎると血管の浸透圧が高くなり血圧を上昇させてしまいます。これを事前に制御できるのがカリウムです。その結果、塩分の摂りすぎによる高血圧の予防につながります。 また、不足すると筋肉の働きが低下し条件反射が弱くなる、脈がとんだり、腸のはたらきが悪くなるといわれており、成人のカリウムの目標摂取量は3,000mgが目安です。
~広報なめりかわH18年8月号掲載
30 ミネラル成分のはたらきⅣ(ナトリウム)
深層水に含まれる「ミネラル成分」の代表的なものとして、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなどが上げられます。 人間の体が正常に働くために欠かせないナトリウムは、血しょうと細胞外液中の主要なミネラルです。 飲食物から主に食塩(塩化ナトリウム)として摂取されます。 ナトリウムの主な働きは、カリウムと結合して、神経伝達を行ったり、カルシウムをはじめとするほかのミネラルが血液中にスムーズに溶けるよう、手助けをすることです。 体液中のナトリウムが不足すると、筋肉のけいれんが起きたり、時には血圧が下がりすぎたり、意識が障害されることもあります。 逆にナトリウムが体内に過剰に存在すると、血圧が上がり、動脈硬化等の生活習慣病の原因にもなります。1日、食塩にして10g未満を目安に摂りすぎに注意しましょう。
~広報なめりかわH18年9月号掲載
31 よく耳にする”硬度”って何?
深層水を使用したミネラルウオーターのラベルによく硬度の表示があります。 硬度とはミネラル(マグネシウムやカルシウムなど)がどのくらい入っているか?という基準です。 一般的にミネラルが多いほど「渋み」や「苦味」などを感じます。 胃腸の弱い人が下痢をするから硬度の高い水は飲めないというのは、このミネラルが原因です。 日本の水の特徴として、ミネラルが少なく、硬度で100を越えるものは少ないと言われています。 軽い水と感じると同時に水にミネラルが少ないために、生活の知恵として食事等を通してミネラルを補充していました。 アクアポケットでは、電気透析(ED)による特殊な脱塩方法で、深層水に含まれる必須微量元素やカルシウム、マグネシウム等を失うことなく、 「ミネラル脱塩水」をつくることができます。 なお、「ミネラル脱塩水」は硬度が約5,200あるので、飲用する場合は20倍以上希釈する必要があります。
~広報なめりかわH18年10月号掲載
32 利用者が3万人を突破
昨年1月にオープンし、同4月から完全有料化した滑川海洋深層水分水施設アクアポケットの利用者が9月に3万人を突破しました。10月の「みずまる市」の開催に合わせ、3万人目の利用者となった宇奈月町の福島さんに記念品が送られました。 有料化以来、1年半で3万人を超えた計算になりますが、個人利用者の方に人気のあるのがやはり「脱塩水」です。3万人目となった福島さんも「コーヒーやご飯を炊くのに愛用している」とのことですが、飲用等に深層水を利用する方が多く、今では当初に比べ、2倍近い利用者があります。 これから寒い時期を迎え、入浴剤として深層水原水や濃縮水の需要も多くなることが見込まれます。こらからも多くの方に深層水を利用していただきたいと思います。
~広報なめりかわH18年11月号掲載
33 深層水温浴の研究 1
近年特に水の粘性、浮力、水圧などの特性を活かした健康づくりのアクア・エクササイズや、水中における仰臥位(仰向け)浮遊浴のリラクゼーション効果について注目されています。 水中では浮力によって無重力状態に近い環境となり、筋肉の弛緩、自律神経系の安定状態をもたらすと考えられています。 昨年から沖縄県の久米島、静岡県焼津市において相次いで深層水の温浴施設がオープンし、深層水を利用したリラクゼーションが注目されています。 滑川市においては平成10年に全国に先駆け、深層水体験施設タラソピアがオープンしましたが、以降深層水温浴における研究を富山県衛生研究所及び富山大学医学部に依頼し研究を続けてきました。
~広報なめりかわH18年12月号掲載
34 深層水温浴の研究2-皮膚・鼓膜温への影響
温浴実験は「深層水」「表層水」「水道水」および「空浴」の4種類で行い、20~22℃の浴室で41℃の温浴を6分間座位入浴とその後の浴槽外での座位休息6分間を3回くり返す方法で、昼間勤労者及び深夜勤労者を対象に行いました。 入浴前、3回の入浴後(出浴直後)とその中間の浴槽外での休息時そして3回目の出浴後15分および30分経過時の左大腿部についての皮膚温の変化を調べました。いずれの時点においても、平均値は深層水浴で最高、ついで表層水浴、水道水浴の順でした。右大腿部と腰部においても同様の結果が得られました。 また、入浴前、3回目入浴後(出浴直後)、その後15分および30分経過した時点で、深部体温として鼓膜温を測定した結果、3回目の入浴終了時点で、深層水浴が最大値を示し、深層水浴と表層水浴が空浴に比較して高値を示しました。 海洋深層水の温浴には、温まりやすく冷めにくい温熱効果があるものと考えられます。
(富山県衛生研究所研究資料より) ~広報なめりかわH19年1月号掲載
35 深層水温浴の研究3-循環系(心拍数・血圧)への影響
深層水温浴の研究内容を先月号に続き紹介いたします。 温浴実験は「深層水」「表層水」「水道水」および「空浴」の4種類とし、20~22℃の浴室で41℃の温浴を6分間座位入浴とその後の浴槽外での座位休息6分間を3回くり返す方法で行いました。 研究の結果、各種温浴のいずれの時点の心拍数も、入浴前に比べて著変はみられませんでした。 各種温浴で最大血圧は入浴前に比較して、3回目の入浴終了時、その後15分までやや降下しましたが、入浴終了後30分の時点では入浴前の値に戻りました。 また、最小血圧については、各種の温浴で入浴前に比較して、3回目の入浴終了時、その後15分までやや降下し、深層水浴では3回目入浴終了時点および15分後の降下が大きくなりましたが、入浴終了後30分の時点ではいずれの温浴も入浴前の値に戻りました。
(富山県衛生研究所研究資料より) ~広報なめりかわH19年2月号掲載
36 深層水温浴の研究4-自律神経系への影響
深層水温浴の研究内容を先月号に続き紹介いたします。 温浴実験は「深層水」「表層水」「水道水」および「空浴」の4種類とし、20~22℃の浴室で41℃の温浴を6分間座位入浴とその後の浴槽外での座位休息6分間を3回くり返す方法で行いました。 心拍変動解析の結果、いずれの温浴においても睡眠中に副交感神経系の活動度が増大し、交感神経系の活動度は減少しましたが、これらの変化に温浴の種類による差異はみられませんでした。 唾液中のナトリウム、カリウムおよびナトリウム/カリウム比を入浴の前後と翌朝の覚醒時に測定しましたが、いずれの測定値も温浴間で差異はみられませんでしたが、翌朝のナトリウム/カリウム比の上昇というサーカディアンリズム(眠りに重要な要素である体温コントロールをする機能)は確認されました。
(富山県衛生研究所研究資料より) ~広報なめりかわH19年3月号掲載